大阪市港区、海遊館や船客ターミナルで賑わう天保山、ここは、明治時代から、「あなご」を扱う業者が集まる街でもあります。「縄幸」は、創業明治30年、約一世紀にわたり「あなご」を取り扱ってまいりました。
「あなご」はいろいろな食べ方があります。煮あなご、天ぷら。でも、大阪で「あなご」と言えば、「焼あなご」。最もポピュラーな調理方法です。
日本近海、あるいは韓国で水揚げされた「あなご」を職人がさばき、焼く。縄幸をはじめ、天保山のあなご業者は、それぞれの店独自の焼き方を代々伝えて来ました。それは、「あなご」を専門に扱うプロの経験と、お客様のニーズに合わせてバリエーションを変化させていったもの。
■「焼き」のこだわり、縄幸の「焼あなご」
どの店でも、「あなご」を焼く工程は門外不出。それぞれの店のオリジナリティが一番強く出る部分であり、秘伝ですが、縄幸の「焼あなご」は他の店のものと比べると「見た目」ではっきりと判る違いがあります。それは、焼き目。
一般的な「焼あなご」の場合、開いた身の部分に縞模様が出来ます。これは格子に「あなご」を乗せ、その下から炙るためについてしまう模様です。
一方、縄幸の「焼あなご」は開いた身の部分にまんべんなく火を通し、頭から尻尾までむらなく綺麗な焼き目をつけています。
■「たれ」のこだわり、縄幸の「焼あなご」
韓国産焼あなご(手前)、国産焼きあなご(奥)、たれの色合いも違っています
縄幸では「焼あなご」用のたれにも「こだわり」があります。長年、継ぎ足して使われている秘伝のたれであることは言うまでのありませんが、「あなご」の種類によって使い分けています。
国産あなごにはあっさり目のたれを使い、「あなご」本来の味を引き立たせています。
一方韓国産あなごにはしっかり目のたれ。ボリュームのある「あなご」に負けない旨味で、押し寿司、巻き寿司、ちらし寿司、うどんすき等に重宝されます。
■そして、焼きのプロだからできる「白焼あなご」
「白焼あなご」。鮮度の良い「あなご」と、それを巧みにさばき、焼く職人がいなければ出来ない技。しっとりとした焼き具合は、「あなご」の美味しさを100%引き出しています。
「焼あなご」が日本の伝統的なお料理に使われているのに対して、「白焼あなご」きは和洋問わずいろいろなお料理にお使い頂けます。オリーブオイルでソテーして西洋風に、また生春巻きに巻いてエスニック風に、そしてパスタやスープの具材に使う等、お料理のジャンルを問いません。もちろん、自家製のたれで、オリジナルの蒲焼を作ることも可能です。
■縄幸が一番おすすめしたいお召し上がり方
それは、スライスしてそのまま食する。
縄幸で使われる「あなご」は、「お刺身」で食べる事ができる鮮度の良さ。ですから、シンプルにスライスして、召し上がって頂きたい。「焼あなご」はそのままで、「白焼あなご」は柚子こしょうと刺身醤油で。
さらに「焼あなご」は、国産と韓国産のたれの違いを味わっていただくのも「おつ」なお召し上がり方です。
国産あなごの「焼あなご」は、上品な味わいを引き立たせる純米酒やさっぱりとした白ワインで。韓国産あなごの「焼あなご」は、ダイナミックな味わいを楽しむふくよかな白ワイン。赤ワインでも面白いかもしれません。
そして、「白焼あなご」。よく冷やした吟醸酒。白ワインや発泡ワインも良いかもしれません。
いずれにしましても、「焼あなご」をメインにした「酒の肴」は如何でしょうか?もちろん、お酒を召し上がらない皆様にも、「あなご」本来の美味しさを堪能して頂けるはずです。
縄幸では、焼きが完了した直後に品質を損なわず急速冷凍させる冷凍装置および大型の真空機を用いて2尾毎に冷凍・真空パック化を行っています。解凍して温めて頂くだけで、焼き直後の美味しい「焼あなご」「白焼あなご」を召し上がって頂くことができます。
温め方は簡単。電子レンジ・トースター等、普段お使いの加熱調理器具であればおおよそ大丈夫ですが、おすすめはコンロ。コンロで炙って頂きますと、香ばしさが引き立つのと同時に「あなご」の脂がにじみ出て、まさに「焼きたて」が再現されます。
日本の逸品、大阪の味、縄幸の「あなご」を是非お召し上がりください。
鮮度の良いあなごだからこそ焼き上げはふっくら、ジューシーな湯気に包まれます